インナーチャイルド療法とは何ですか

このページは、公認心理師・ヒプノセラピストの紫紋かつ恵が回答しています。

結論:インナーチャイルド療法とは、子どもの頃の自分に会いに行き、そのとき受け取れなかったものを、今の自分から手渡す手法です。過去を変えるのではなく、置き去りにされていた感情を、今のご自身が受けとめます。

インナーチャイルドとは

心のなかに残っている、子どもの頃の自分を指す言葉です。

大人になっても、幼い頃に身につけた感じ方は残り続けます。「わがままを言ってはいけない」「役に立たないと愛されない」「泣いても誰も来ない」。そうした結論を、当時の自分は必死に導き出しました。それは、その環境を生き延びるために必要なことでした。

ただ、大人になった今も同じ前提で動いていると、生きづらさとして表れます。頼れない、断れない、休めない。理由が分からないのに苦しい、という状態です。

セッションでは何をするのか

リラックスした状態で誘導に入り、幼い頃のご自身に会いに行きます。

どの場面が出てくるかは、その場でご本人が選ぶことになります。忘れていた出来事が浮かぶこともあれば、何気ない日常の一場面が出てくることもあります。

そこにいる子どもに、今のご自身が声をかけます。何を思っていたのか。何を言いたかったのか。何が欲しかったのか。当時は誰にも言えなかったことを、今度は聞いてもらえます。

そして、必要なものを手渡していただきます。言葉であることもあれば、ただ抱きしめるだけのこともあります。何が必要かは、その子が教えてくれます。

親を責めるためのものではありません

誤解されやすいところなので、はっきり申し上げておきます。

インナーチャイルド療法は、親の落ち度を探す作業ではありません。「あなたが苦しいのは親のせいです」と結論づけることはいたしません。

扱うのは、当時のご自身が感じたことです。親がどうであったかではなく、その子が何を受け取り、何を諦めたのか。そこに焦点があります。

結果として、親御さんへの見方が変わる方もいらっしゃいます。ただ、それを目指してはいません。許すことも、和解することも、必要ではありません。ご自身が楽になることだけが目的です。

覚えていない場合はどうなりますか

子どもの頃のことをよく覚えていない、という方は多くいらっしゃいます。それでも問題ありません。

思い出そうとしていただく必要はないからです。誘導のなかで、必要な場面のほうから出てきます。はっきりした記憶ではなく、雰囲気や感覚だけということもありますが、それで十分に進みます。

また、セッションで出てきたものが事実そのままとは限りません。心が受け取った形で残っているものですから、記憶の正確さを問う作業ではないとお考えください。

どのような方に向いていますか

  • 自分に厳しく、責めてしまう
  • 人に頼れない、甘えられない
  • 断れない、いつも我慢してしまう
  • 愛されている実感が持てない
  • 親との関係が、今も心に引っかかっている

拙著『最新版 生きづらさを解消するイメージセラピー』にも、インナーチャイルドを抱きしめるワークの音声を収めています。ご自身で試していただくこともできます。

期待できる変化についてはどのような変化が期待できますかを、他の手法についてはヒプノセラピーとはどのようなセラピーですかをご覧ください。

※ヒプノセラピーは医療行為ではなく、医療の代替となるものではありません。治療を目的とされる場合は、医療機関にご相談ください。